成年後見・財産管理等

司法書士は成年後見業務の専門家です。

裁判所から指名される後見人の割合を見てみると司法書士が成年後見業務に大きな役割を果たしていることが数字上からも明らかです。
(平成25年最高裁判所事務総局家庭局データより抜粋)

第三者後見人件数前年比増加率
司法書士7,295件14.3%増
弁護士5,870件27.2%増
社会福祉士3,332件6.8%増

成年後見について

成年後見制度とは高齢者や障がい者の方々を支援するために設けられた制度です。

後見制度には

  • 法定後見
  • 任意後見

に大きく分けられます。

法定後見制度

既に意思能力が低下している人に対して行う申し立てを法定後見と呼びます。

申し立ては本人の住所地を管轄する家庭裁判所になります。

任意後見制度

本人の意思能力がはっきりしている段階で、誰を代理人としてどんな事務を委任するかを事前に決めておく制度です。

公証役場にて公正証書を作成します。

本人の意思能力が低下した場合、家庭裁判所が任意後見人を監督する任意後見監督人を選任します。

任意後見監督人が選任された時点で後見がスタートします。

財産管理業務

財産管理とは成年後見人等が本人に代理して契約の締結や費用の支払等を行います。

一口に「財産管理業務」といっても

  • 遺言執行者
  • 相続財産管理人
  • 不在者財産管理人
  • 破産管財人

など種類は様々です。

本人と「任意」で契約を締結し、財産管理を行うために特段の資格は必要ありません。

しかし、官公署(裁判所など)の委嘱により業として財産管理業務が行える資格者は司法書士と弁護士のみとなります。

司法書士法施行規則第31条(省令)・弁護士法人の業務の範囲(省令)
「当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務」

ただし、司法書士の場合は争い事(紛争)が生じている場合にこれらの業務を行うことは出来ません(弁護士法第72条)。