法人格の変更

こんばんは。

介護事業や障がい福祉サービス事業のサイトが定期的に「法人格の変更」というキーワードで検索されてアクセスされています。

サイトにも幾らか記載しているのですが、今日は簡単にここでも書いておこうかと。

法人格の変更は大変なケースもある

介護事業や障害福祉サービス事業を始めるには法人であることが必要です。

株式会社や合同会社、一般社団法人やNPO法人など法人の種類は問いません。

で、検索されている方やその後にご相談に来られる方は既に何かしらの法人格で事業をスタートして、開業後に法人格を変更したいというパターンです。

結論から言えば法人格の変更は出来ます。

指定が取り消されるようなことは「原則」ありませんので、指定の取り直しにはなりません。

が、ここで少し勘違いしている人が多く存在します。

法人格の変更は自由にできる訳ではなく、どの法人からどの法人へ変更が出来るのかということは予め法律で決められている訳です。

これは介護事業や障がい福祉サービス事業の「指定」とは全く無関係です。

極々簡単に記載すると以下のような図式になります。

営利法人 ⇔ 非営利法人 = NG

法人格の変更を検討されているケースは営利法人から非営利法人への変更がパターンとしては多いのですが、これは不可能です。

よって、指定も取り直しになります。

もう少し書くと、

株式会社 ⇔ 合同会社 = OK

一般社団法人 ⇔ NPO法人 = NG

となります。

これで凡その答えは出た形です。

非営利法人である一般社団法人やNPO法人が相互に変更できないことに違和感を覚える人もいるかもしれませんが、両法人は根拠としている法律がそもそも異なります。

一般社団法人は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」

NPO法人は「特定非営利活動促進法」

という法律のもとに成り立っております。

株式会社や合同会社(合資・合名も含む)は会社法にその根拠があります。

分かり易く考えるのであれば、その法律の垣根を越えて法人格の変更が出来ないということです。

株式会社で介護事業や障がい福祉サービス事業を運営している場合、合同会社に変更することは所定の手続き(株主総会等)を取り、法務局へその登記を行えば可能です。

この場合、「指定」における窓口には変更届を出す形になります。

では、株式会社で運営していた事業を一般社団法人で運営する場合はどうしたら良いかと言えば、事業の廃止と新規の指定のスケジュールを合わせるしかありません。

例えば10月31日に株式会社として運営していた事業を廃止し、11月1日から一般社団法人として指定を得る、という流れです。

過去にこうした手続きを受任したことがありますが、まー大変な作業にはなります。

スケジュールをキッチリとリンクしておかないと、事業に穴が空くことになり利用者に迷惑をかけること間違いなしです。

こうしたことから法人格の変更を御自身で手続きしようとお考えの方は役所を巻き込んでしっかりとスケジューリングすることをお勧め致します。

もちろん、弊所にお任せ頂いた場合は法人の解散と設立、指定の廃止と新規指定、その他変更手続きなどの一切を承ることが可能ですので遠慮なく御相談下さい。

法人格の変更についてはまた別の機会にも書きたいと思います。

さてさて、明日は朝から外回りを頑張ります!